お仕事
派遣看護師とは︖メリット・デメリットと仕事内容・待遇を紹介
公開日:2023.12.21
更新日:2024.02.02
看護師のニーズがますます増加する昨今、派遣看護師の求⼈も多く打ち出されています。
「⼈⼿不⾜なので正規だけでなく派遣看護師の雇⽤を検討したい」
「派遣看護師を雇⽤する際の形態・仕事内容・待遇の平均などを知りたい」
「派遣の看護師を雇⽤するメリットやデメリットを知りたい」
今回はこのような考えをお持ちの⽅に向けて、プロの転職エージェントが派遣看護師の働き⽅や実際に働く際の注意点などについて詳しく解説していきたいと思います。
派遣看護師への転職に役⽴つ情報もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
派遣看護師とは︖正社員との違い
派遣看護師とは、病院やクリニックに直接雇⽤されるのではなく、派遣会社経由で就労する勤務形態の看護師のことを指します。
正社員の看護師の場合は勤務先の医療機関と直接雇⽤契約を結びますが、派遣看護師の場合、給与の⽀給や社会保険、休暇の管理などの⼿続きはすべて派遣会社が⾏います。
|派遣看護師の仕事内容と給与相場
派遣看護師の仕事内容は、正社員の看護師とほぼ変わりません。 しかし、夜勤の業務に関してはオンコール対応が免除されるなど正社員と条件が異なる場合があります。
派遣看護師の仕事内容
派遣看護師の給与相場は時給1,300円〜2,000円程で、勤務エリアによっても変動します。
※⼤都市の⼤⼿医療機関では時給2,500円前後になることもあります。
以下、上記の時給をもとに算出された⽉収・年収、それぞれの⼿取り⾦額の⽬安です。
※⽉収は1⽇8時間勤務を⽉に20⽇間続けた場合の⾦額を算出しています。
※⼿取り額は⼀般的な⽬安となる額⾯の8割=0.8倍をかけた⾦額を表⽰しています。
給与は勤務先や勤務⽇数、勤務時間、残業の有無などによってかなりの個⼈差があるため、上記⾦額はあくまでも⽬安としてご参考ください。
派遣看護師の雇⽤形態は3パターン
派遣看護師の雇⽤形態は、以下の3パターンになります。
1. 登録型派遣
2. 常⽤型派遣
3. 紹介予定派遣
1.登録型派遣
登録型派遣は、派遣看護師の雇⽤形態の中で最もスタンダードな形式です。基本的に派遣会社における“派遣”は登録型派遣のことを指します。
派遣会社に会員登録した後、選択した紹介先の現場で就労するという形になります。
フルタイムや単発・短期、時短勤務など、多くの情報の中から⾃分のライフスタイルに合わせて柔軟に勤務先や働き⽅を選べることがメリットです。
契約期間を満了すると契約終了となりますが、雇⽤者と被雇⽤者の双⽅の合意のもとに期間を延⻑することも可能です。
⽇雇い派遣
登録型派遣の中には、⽇雇い派遣という形態も存在します。
より柔軟な働き⽅が可能で働きたい時だけ働けるという反⾯、選択肢が少ない、給与の安定性がない、派遣先ごとに応募・契約⼿続きの⼿間があるなどのデメリットがあります。
2.常⽤型派遣
常⽤型派遣は、派遣会社の社員として雇⽤されている状態で特定の医療機関に派遣される形態です。
登録型派遣との違いは、派遣先の契約期間が満了しても元々の派遣会社との雇⽤関係が継続される点です。
そのため、新たな派遣先がなかなか⾒つからない場合でも次の現場が決まるまで給与が⽀払われ続けるというメリットがあります。
近年では、専⾨性を持った⼈材を有効に活⽤したいという企業のニーズに応えて、看護師などの医療系の専⾨知識・経験を持つ⼈の乗⽤型派遣を⾏う会社が増加の傾向にあります。
3.紹介予定派遣
紹介予定派遣は、派遣先の企業において「半年以内に契約社員や正社員などの直接雇⽤に切り替えること」を前提とした派遣就労の雇⽤形態です。
半年後に契約社員・正社員として雇⽤されることが半ば確約されているので、将来的に正規での雇⽤を⽬指している⽅におすすめの形態になります。
実際の仕事を通して職場の雰囲気や必要スキルを体験・確認した上で進退を決することができるので、ミスマッチを防ぎやすいというメリットがあります。
派遣看護師の主な派遣先
派遣看護師の主な派遣先は、以下の4つになります。
|病院やクリニック
1つ⽬は病院やクリニックです。
病院やクリニック(診療所)などの医療機関へ派遣される看護師の多くは、派遣先の医療機関で働く正社員の看護師が休業(産休・育休など)している間の代替として働くことになります。
基本的に契約は1〜2年で終了してしまいますが、期間限定で気楽に働けるという利点があります。
なお、離島や僻地で派遣看護師として勤務する場合は、厚⽣労働省が指定する⼀部の地域のみに限定されているという点もご留意ください。
|保育園や⼀般企業
2つ⽬は保育園や⼀般企業です。
保育園での主なお仕事は園児の健康管理で、業務内容は以下の通りです。
園児⼀⼈ひとりに対する観察眼が必要ですが、⼦ども好きな⽅にとってはおすすめの就労先となります。
⼀般企業の場合は、産業保健師やコールセンターなどの仕事を⾏うケースが多いです。それぞれの主な業務内容は以下の通りです。
産業保健師
コールセンター
上記はいずれの場合も、社員の健康維持や企業のヘルスリテラシー向上のために必要不可⽋な業務となります。
|介護⽼⼈保険施設
3つ⽬は介護⽼⼈保健施設です。
介護⽼⼈保健施設は、病院での療養から⾃宅療養への回復を⽬指す⾼齢者が健康管理やリハビリを⾏う⼊居施設になります。
派遣看護師の主な仕事は⽇常⽣活が困難な⾼齢者の⽣活のサポートで、業務内容は以下の通りです。
⼊居者の介護業務まで負担するかどうかは派遣先の施設にもよりますが、基本的に業務は多岐にわたるため柔軟な対応が求められることが多いと理解しておきましょう。
なお、介護⽼⼈保険施設への看護師の派遣は紹介予定看護師のみ可能となります。
|献⾎センターや健診センター
4つ⽬は献⾎センターや健診センターです。
献⾎センター(健診センター)での主な業務は、献⾎会場や献⾎ルーム等での採⾎業務となります。細かい業務内容は以下の通りです。
献⾎センター(健診センター)の仕事は⽇勤のみで夜勤がないというメリットがありますが、採⾎に使⽤する針の太さ(ゲージ)が⼀般に⽐べて太いため、看護師側には⼀定のスキルが求められます。
派遣看護師のメリット3つ
派遣看護師のメリットは、以下の3つになります。
1. 時給が⾼い傾向がある
2. ⾃分の都合に合わせて働きやすい
3. ⼈材派遣会社に相談できる
1.時給が⾼い傾向がある
1つ⽬は、時給が⾼い傾向にあることです。
ジョブズリサーチセンターの調査によると、2023年6⽉の派遣看護師の平均時給は2,142円で、正社員の看護師と⽐べて⾼い数字となっています。
ボーナスをもらえないというデメリットはありますが、時給のみで⾒た場合は割の良い勤務形態であることがわかります。
参考︓2023年6⽉度 派遣スタッフ募集時平均時給調査p.3
2.⾃分の都合に合わせて働きやすい
2つ⽬は、⾃分の都合に合わせて働きやすいことです。
派遣勤務では勤務地や勤務⽇数、仕事内容など条件を絞って希望する職場を選ぶことができます。
また、正社員に⽐べて残業がほとんどないケースが多いことも⼤きな利点となります。
3.⼈材派遣会社に相談できる
3つ⽬は、⼈材派遣会社に相談できることです。
就労の際には、派遣先との間に⼈材派遣会社が⼊ってサポートをしてくれるので、軋轢が⽣じにくいというメリットがあります。
派遣先の職場で困ったことがあれば、いつでも⼈材派遣会社に相談できることも魅⼒の1つです。
派遣看護師のデメリット3つ
派遣看護師のデメリットは以下の3つです。
1. 同じ職場に⻑く勤められない
2. 求⼈倍率が⾼く競争が激しい
3. 給与や福利厚⽣などに差がある可能性
1.同じ職場に⻑く勤められない
1つ⽬は、同じ職場に⻑く勤められないことです。
派遣看護師の ⼀般的な雇⽤期間は3カ⽉〜半年間で、⻑くても上限は3年までと派遣法で定められています。
そのため、安定した収⼊を求める⽅、都合により⻑期雇⽤を希望する⽅にはあまり向いていません。
紹介予定派遣を利⽤すれば直接雇⽤に切り替わるので、⻑く働きたい場合は紹介予定派遣がおすすめです。
2.求⼈倍率が⾼く競争が激しい
2つ⽬は、求⼈倍率が⾼く競争が激しいことです。
病院やクリニックなどの医療機関への派遣は、正社員看護師の産前産後・育児休暇などの間しか認められていないため募集枠が少ないという問題があります。
それに⽐例して競争倍率も⾼くなる傾向にあるので、なかなか希望する派遣先に就労できないというデメリットが発⽣します。
3.給与や福利厚⽣などに差がある可能性
3つ⽬は、給与や福利厚⽣などに差がある可能性があることです。
派遣看護師は派遣先によっては昇給やボーナスの⽀給がなく、通勤⼿当や研修といった福利厚⽣が正社員と同じようには受けられない場合があります。
ただし、これらの「正社員との差」は2020年4⽉の労働法の改正(「同⼀労働同⼀賃⾦」の制度)により改善されつつあります。
参考︓ 厚⽣労働省 同⼀労働同⼀賃⾦とは
派遣看護師として働くための注意点
派遣看護師として働くための注意点は以下の3点です。
|必要経験年数3年以上の求⼈が多い
⼀般的な派遣看護師は経験年数3年以上の求⼈が多いです。
忙しい現場ではとくに即戦⼒を必要としており、ある程度経験を積んだ看護師が求められます。
仮に経験不問の職場であったとしても基礎的な看護技術は期待されるため、基礎看護技術を復習しておくと採⽤に有利に働く可能性があります。
|⾃分以外に看護師がいないケースがある
職場によっては雇⽤する看護師は⼀⼈だけで、⾃分以外に看護師がいないケースがあります。
そのため、 ⾃⾝の経験が浅い場合は⾃分⼀⼈が責任を負わなければならない職場(他に看護師がいない職場)は避けたほうが賢明だと⾔えるでしょう。
|派遣が禁⽌されている業務がある
労働者派遣法では、法律によって派遣が禁⽌されている業務があります。
医療従事者(看護師を含む)もその中の1つなので、原則として病院や医療機関で派遣看護師は働けないようになっています。
ただし、以下の場合は派遣でも勤務することが可能なので、あらかじめ留意しておきましょう。
まとめ
今回は、派遣看護師の働き⽅やメリット・デメリットなどについて解説しました。
ワークライフバランスを重視した働き⽅をお探しの⽅は、ぜひ⼀度検討されてみてはいかがでしょうか︖
実際に派遣看護師として働く際には、まずは派遣会社へ登録してみることをおすすめします。
派遣求人検索サイトのワポティでは、派遣看護士の求人を多数ご案内しています。未経験や、時間的制約があっても、始められるお仕事がたくさんありますので、派遣看護士として働いてみたい方は、お気軽にご相談ください。
あなたにピッタリなお仕事探しを応援します!