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派遣とアウトソーシングの違いとは?それぞれのメリット・デメリット紹介
公開日:2024.06.17
更新日:2024.06.19
アウトソーシングと派遣、どちらも似たような働き方をイメージする方も多いでしょう。しかし、アウトソーシングはアウトソーシング会社の社員として出向、派遣は派遣会社と契約し、派遣先企業で働くことが一般的です。
本記事ではアウトソーシングと派遣、それぞれの働き方や具体的な違い、メリット・デメリットに加え、向いている人のタイプについてわかりやすく解説します。
目次
- アウトソーシングと派遣とは?
- アウトソーシングと派遣の違い
- 派遣社員として働くメリット・デメリット
- アウトソーシングとして働くメリット・デメリット
- アウトソーシングと派遣どちらが向いているかチェック!
- 自分に合う働き方を探そう
アウトソーシングと派遣とは?
アウトソーシングと派遣は、どちらもさまざまな企業に出向き、内部で仕事をするという点は同じです。ただ、違う部分も少なくありません。
まずはアウトソーシングと派遣、それぞれの内容について解説します。
| アウトソーシングとは
アウトソーシング(Outsourcing)は、「out(外部)」と「sourcing(調達)」を合わせた造語です。人材やノウハウを社外から調達する経営戦略の一種です。業務の一部だけでなく、すべてを委託するケースもあります。
システム開発において用いられることが多かったアウトソーシングですが、現在では人手不足、労働力不足を理由に、コア業務に集中するため、人事や総務、経理、営業など業種を問わず利用が増えています。
また、長期的かつ業務プロセス全体を外部委託するアウトソーシングを「BPO(Business Process Outsourcing)」、ビジネス・プロセス・アウトソーシングと呼びます。BPOの場合、専門性の高い分野の委託が一般的で、業務設計から運用、効果分析、改善までのプロセスすべてが対象です。
| 派遣とは
派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先で就業する働き方です。派遣会社は給与や福利厚生の提供、就業中のサポート、就業先の紹介などを行いますが、実際の業務を指示するのは派遣先の企業です。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律により、一部の例外を除き、同じ事業者の同じ部署に、同一の派遣社員が勤務できるのは、最大3年とのルールが定められています。
アウトソーシングと派遣の違い
アウトソーシングと派遣の違いを「雇用形態」「業務の管理者」という観点で紹介します。
| 雇用形態
アウトソーシングの場合、「請負契約」や「委任契約」を結ぶ形態が一般的です。労働者はアウトソーシング会社の社員として、委託先で働くケースが多いです。
派遣の場合、労働者と派遣会社が労働契約を、派遣会社と派遣先企業が労働派遣契約を結びます。基本的に、派遣社員と派遣先企業の間に雇用関係はありません。
| 業務の管理者
アウトソーシングの場合、データ入力などの作業単位や、経理業務などさらに広い範囲を占める業務単位、業務を担う組織全体の組織単位など、大小さまざまな形態があります。どの形態であっても、実際の業務管理や指示命令は受託会社が行います。依頼した企業から、作業スタッフへの直接指示はできません。
派遣社員の場合、派遣先企業が直接業務の指示を行います。業務に必要な教育、管理も派遣先企業の役目です。
派遣社員として働くメリット・デメリット
派遣社員は働き方の自由度が高く、案件の選択肢が多い、スキル不足でも働きやすいなどのメリットがあります。
一方、期間の定めがあるため、長期的な勤務を希望する方には、デメリットと感じるかもしれません。ここでは派遣社員として働くメリット・デメリットについて解説します。
| 派遣のメリット
派遣で働く場合に得られるメリットは、次の通りです。
・案件を選べる
・働き方の自由度が高い
・スキルがなくても働きやすい
具体的に解説します。
案件を選べる
派遣のメリットは、自分の希望や条件、スキルを伝えておくことで、自分の希望する案件を紹介してもらえる点です。「残業がない職場」「土日祝休み」などの働き方に関しても丁寧にヒアリングしてもらえるため、ライフスタイルをあまり変えたくない方も安心です。
派遣会社には、それぞれ得意分野があります。自分が希望する業種や職種に強い派遣会社を選ぶことで、より希望条件に近い案件と出会えるでしょう。
働き方の自由度が高い
派遣社員は、次の3つのタイプに分けられます。
このように、自分の都合に合った働き方を選ぶことができます。
スキルがなくても働きやすい
派遣は未経験歓迎の求人も多く、キャリアチェンジを考えている方や新しい仕事、興味のある仕事にチャレンジしたい方におすすめです。派遣会社によっては、パソコンスキルなどの研修を無料で受講できることもあります。
大手企業や官公庁など、中途採用が行われていない、または少ないケースにおいても、派遣であれば門戸が開かれていることが多いです。このように「新しい知識やスキルを習得したい」と考えている方に向いています。
| 派遣のデメリット
派遣には、前述したようにさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。初めて派遣を検討している方は、あらかじめ次のデメリットを理解し、就業後のミスマッチを防ぎましょう。
・「同じ組織には3年まで」という期限の定めがある
・成果が評価されにくい
・収入が安定しない
それぞれ解説します。
「同じ組織には3年まで」という期限の定めがある
労働者派遣法の「3年ルール」により、一般派遣(登録型派遣)の場合、同一組織で働けるのは最大3年です。異なる課へ異動することで勤務の継続は可能ですが、仕事内容が大きく変わる可能性もあります。一方、アウトソーシングの働き方であれば、3年ルールは関係ありません。
ただし、派遣会社と期間の定めがない契約を結び、派遣先企業で働く「常用型派遣(無期雇用派遣)」を選択した場合、3年を超えて働き続けることができます。無期雇用派遣については、次の記事で解説しています。
【関連記事】
無期雇用派遣とは? 働き方のメリットやどんな人が向いているかを紹介
成果が評価されにくい
一般的に、派遣の給料は時給制です。労働時間に対して報酬が支払われるほか、業務内容を基準に時給の相場が決まります。同一地域のアルバイトやパートに比べると、時給が高いメリットはあるものの、成果を出したとしても、給料に反映される可能性は低いです。
また、派遣社員は、契約以外の業務を行うことができません。このようにアウトソーシング会社に比べると成果が評価されにくい傾向にあります。
収入が安定しない
月給制であるアウトソーシング会社に比べ、時給制の派遣は、勤務日数により収入が大きく変動します。土日祝日休みの場合、ゴールデンウィークや年末年始は、他の月に比べ、収入が減る傾向が強いです。また、契約期間の定めがあることから、契約満了により仕事を失う可能性もあります。
ただ、紹介予定派遣制度や正社員登用制度をうまく活用できれば、派遣先との直接雇用を結ぶことができます。紹介予定派遣を希望する場合は、派遣会社に登録する時点で、積極的に意思を伝えておきましょう。
【関連記事】
派遣社員から正社員登用されるには?直接雇用のメリット・デメリットを紹介
アウトソーシングとして働くメリット・デメリット
アウトソーシングは、長期的かつ専門知識を活かした働き方が可能です。また、出向先が次々変わることも、性格やライフスタイルによってはメリット、デメリット、どちらとも言えるでしょう。
ここではアウトソーシングとして働くメリット・デメリットについて解説します。
| アウトソーシングのメリット
アウトソーシングで働く場合に得られるメリットは次の通りです。
・さまざまな業界や職場で経験を積める
・専門的な知識やスキルを役立てられる
・長期的に働ける
具体的に解説します。
さまざまな業界や職場で経験を積める
アウトソーシングで担当する仕事は、基本的に「業務」単位です。数年、数ヶ月など、業務内容によって、同一の現場で働く期間が異なります。
一方、派遣の場合、契約期間満了までは同じ職場で仕事をすることが一般的です。派遣に比べ、さまざまな業界、職場に出向して働く機会が多いため、大いに経験を積み、視野を広げることができるでしょう。
専門的な知識やスキルを役立てられる
アウトソーシングは業務の一部をまとめて依頼される形も多いため、自身が持つ専門知識やスキルを役立てやすい環境です。委託業務の内容によるものの、自分の知識やスキルを役立てられるためやりがいを感じやすいでしょう。
また、アウトソーシングは、成果物に対して報酬が発生することが多いです。成果が評価されにくい派遣と比べ、適切な評価が受けられるでしょう。
長期的に働ける
アウトソーシングの場合、派遣のような3年ルールはありません。プロジェクトや業務内容により、一ヶ所に長期間出向し続けるケースもあります。
また、アウトソーシング企業と無期雇用で契約を交わすため、「派遣切り」の心配も不要です。派遣や契約期間の定めがある契約社員と比較した場合、安定した雇用が期待できます。
| アウトソーシングのデメリット
アウトソーシングの働き方にも、いくつかのデメリットが存在します。
・スキルアップの機会が限られる
・モチベーションを維持しにくい
・新しい職場では一から覚え直す必要がある
働く前に知っておきたい、上記3つのデメリットについて解説します。
スキルアップの機会が限られる
アウトソーシングがクライアント企業から求められるのは、専門的なスキルや知識です。そのため担当業務が固定化されやすく、業務を通じて新しいスキルを得たり、経験を重ねたりする機会は少なくなる傾向にあります。
派遣の場合、派遣先企業によって求められる仕事が異なります。さまざまな知識やスキルを身につけたい方は派遣、自分の専門分野を役立てたい方はアウトソーシングが向いています。
モチベーションを維持しにくい
派遣の場合、紹介予定派遣であれば一定期間勤務したのち、労働者と派遣先企業の合意があれば、正社員としての直接雇用に切り替わります。常用型派遣の場合も、正社員に近いスタイルを維持して派遣先企業で働くことが可能です。
一方、アウトソーシングの場合は、あくまで「外部の人間」です。出向先から指示命令を受けることもないため「会社に貢献している」「役に立っている」といった実感を抱きにくいでしょう。
また、出向先が変わっても求められるスキルや知識は同じといったケースも多く、ルーティンワークと感じてしまうケースもあります。
新しい職場では一から覚え直す必要がある
アウトソーシングは、場合によっては勤務先がすぐに変わってしまいます。求められるスキルや知識は同じでも、新しい人間関係や社内のルールなどを一から覚え直さなければなりません。
このように新しい職場環境への適応が求められるため、人によって大きく向き不向きが分かれます。
アウトソーシングと派遣どちらが向いているかチェック!
アウトソーシングと派遣には、それぞれメリット・デメリットがあります。自分のライフスタイルや性格、考え方と合わせて選ぶことで、より働きやすい方法がわかるでしょう。
ここでは、アウトソーシングと派遣、それぞれ向いている人の特徴について解説します。
| 派遣が向いている人
派遣が向いている人の特徴は、次の通りです。
・ワークライフバランスを重視して働きたい人
・自分に合った職場で働きたい人
・育児や介護など、働ける時間や期間に制約がある人
・新しい仕事や業界にチャレンジしてみたい人
・ゆくゆくは正社員へのステップアップを考えている人
派遣は働き方の自由度が高いため、働く場所や時間帯、期間など、さまざまな希望条件をもとに仕事を探すことができます。
また、他の働き方に比べても、未経験歓迎の職種が多いです。「ブランクがある」「目立った職歴がない」という方にもおすすめです。
| アウトソーシングが向いている人
アウトソーシングが向いている人の特徴は、次の通りです。
・さまざまな経験を積みたい人
・自分が持つ専門的なスキルや知識を役立てたい人
・長期的に働きたい人
・環境の変化を前向きに楽しめる人
・新しいルールに対しても柔軟に対応できる人
・自ら学ぶ意欲の高い人
アウトソーシングに求められるのは、知識やスキルなどの専門性の高さと、さまざまな出向先に出向いたり常駐したりすることを前向きに捉えられる力です。
システム開発や経理・人事など、特定の分野で活躍してきた方はアウトソーシングがおすすめです。
自分に合う働き方を探そう
アウトソーシングは、専門的な知識を活用し、さまざまな職場や環境で仕事ができる働き方です。一方、派遣は、「3年ルール」があり、一般派遣の場合、派遣期間が定められるものの、紹介予定派遣や常用型派遣への切り替えにより、長期での勤務も可能です。また、ワークライフバランスを大切に働きたい方やプライベートを大切にしたい方にも向いています。
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