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派遣社員は契約途中でも辞められる?3つのリスクと注意点を紹介
公開日:2024.07.26
更新日:2024.10.22
派遣社員で働く際、気になるのは「契約途中で辞めてもよいのだろうか」という点です。派遣は一般的に、最長3年で契約満了となりますが、やむを得ない理由があれば途中でも辞められます。
本記事では、「やむを得ない理由」とは何かを解説し、契約途中で辞める際のリスクや注意点、おすすめのタイミングなどを紹介します。
目次
- 契約途中で派遣を辞めることはできる?
- 契約途中で派遣を辞めるリスク
- どうしても派遣を契約途中で辞めたい場合の対処法
- 派遣を契約途中で辞める手順
- 派遣を契約途中で辞める際の注意点
- 派遣を辞めるおすすめのタイミング
- 派遣は基本的に途中で辞められない!
契約途中で派遣を辞めることはできる?
派遣契約は、原則として途中で辞めることはできません。契約期間満了まで仕事を続けることが、派遣社員としての重要な責務です。
しかし、やむを得ない理由がある場合は、契約期間中でも辞めることができます。例えば、次のような理由が挙げられます。
・急病や怪我で就業が困難になった
・家族の介護が必要になった
・契約にない仕事をさせられる
・ハラスメントを受ける など
上記の事情が発生した場合は、できるだけ早く派遣元会社に連絡を取ることが重要です。
契約途中で派遣を辞めるリスク
契約途中で派遣を辞めるのには、リスクがあります。ここでは3つのリスクを紹介します。
| 派遣会社から仕事を紹介されにくくなる
派遣社員が契約途中で辞めると、派遣会社から仕事を紹介されにくくなるリスクがあります。派遣会社からすると派遣先企業に迷惑がかかり、信用が失墜してしまうためです。
やむを得ない理由なく契約を途中で終了した派遣社員に対しては、「次も同じように途中で辞めてしまうかもしれない」と判断し、今後の仕事紹介に消極的になる可能性があります。
| 失業手当が給付されるタイミングに影響が出る
失業手当は、離職後、再就職活動を支援するための給付金ですが、受給開始までには一定の待機期間と給付制限期間があります。派遣契約を満了した場合、会社都合退職とみなされ、待機期間(7日間)後すぐに給付が開始されます。
一方、正当な理由なく契約途中で辞めた場合、待機期間に加えて給付制限期間(原則2ヶ月)が発生し、失業手当の受給開始が遅れます。自己都合退職の場合、すぐに就職できる可能性が高いと判断されるためです。
ただし、やむを得ない理由で契約を途中で辞めた場合は、自己都合退職であっても給付制限は免除されます。例えば、次のような理由が挙げられます。
・倒産・解雇
・契約違反
・ハラスメント
・病気・怪我
・親族の介護
・結婚・出産・育児
・転居 など
このように派遣契約を途中で辞める理由によって、失業手当の受給開始時期が大きく変わるため注意が必要です。派遣社員の失業手当に関しては、次の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】
派遣社員も失業保険をもらえる?自己都合と会社都合の手当の違いとは
| 派遣会社や派遣先会社との関係悪化を招く
派遣契約を途中で辞めることは、派遣会社と派遣先会社、双方に多大な迷惑をかけてしまいます。派遣は契約期間満了まで仕事を続けることを前提としているからです。
契約途中で辞めてしまうと、派遣先企業は急遽、人員の補充や引き継ぎなどの対応に追われることになります。派遣先企業にとって大きな負担となり、派遣会社との信頼関係に悪影響を及ぼす可能性があるでしょう。
派遣社員自身も業界内で悪い評判が広まり、再就職が困難になることも考えられます。
どうしても派遣を契約途中で辞めたい場合の対処法
どうしても派遣を契約途中で辞めたい場合、対処法は主に3つあります。
| 人間関係が原因の場合は事実を伝える
派遣先での人間関係が原因で契約を途中で辞めたい場合、派遣会社の担当者に相談し、冷静に事実を伝えましょう。感情的にならず、派遣先企業を一方的に責める言葉は避け、事実を客観的に伝えることが重要です。
「人間関係に悩んでいる」とだけ話すのではなく、改善に向けた方法も申し添えることで、派遣会社も具体的な対応を取りやすくなります。例えば、「〇〇さんから執拗に連絡先を聞かれ、仕事がスムーズに進まないため、担当の変更をお願いしたい」など、具体的な要望を伝えることが大切です。
現状での業務が難しいと感じている場合は、配置転換などの要望を伝えてみるのも一つの方法です。派遣会社が状況を考慮し、より働きやすい環境を提供できるよう派遣先企業と交渉してくれる可能性があります。
| 仕事が合わない場合は不満点を整理する
仕事が合わないと感じて派遣契約を途中で辞めたい場合は、自分が具体的にどのような点で不満を感じているのかを整理し、派遣会社の担当者に相談しましょう。派遣会社にも対応を検討する必要が生じ、業務環境の改善を促してもらえる可能性があります。
仕事内容に不満がある場合、漠然と「仕事が合わない」と伝えるのではなく、問題点や納得できない点を具体的に説明することが重要です。「自分のスキルや経験と合っていない」「聞いていた話と違う」など、具体的にどのような点が不満なのかを伝えましょう。
挑戦したい業務がある場合は、その旨を率直に話し、希望を伝えることも大切です。スキルや希望を考慮し、より適した仕事を紹介してくれる可能性があります。
| 契約内容が問題の場合は改善してもらう
派遣契約書の内容に問題がある場合、派遣会社の担当者に相談し、契約内容の確認と改善を依頼しましょう。契約内容と実際の業務が大きく異なる場合は、派遣先企業に業務内容や対応を改善してもらうよう、派遣会社から働きかけてもらうことが重要です。
担当者には、契約内容と実際の業務の違いを業務単位で整理してまとめ、改善を望む点を具体的に伝えましょう。場合によっては、契約内容の変更や、別の派遣先への変更など、より良い条件で働けるように調整してくれることもあります。
ただし、派遣会社が必ずしも契約内容を改善できるとは限りません。派遣先企業との関係や状況によっては、改善が難しい場合もあります。その場合は、契約解除を視野に入れ、派遣会社と今後の対応について話し合う必要があります。
派遣を契約途中で辞める手順
どうしても派遣を契約途中で辞めたい場合、次のような手順で辞めることになるのが一般的です。
・派遣会社の担当者に退職の意思を伝える
・書類の準備や手続きを進める
・引き継ぎや派遣先会社への挨拶を済ませる
各ステップを詳しく解説します。
| 派遣会社の担当者に退職の意思を伝える
派遣契約を途中で辞める場合、まず派遣会社の担当者に退職の意思を伝える必要があります。派遣先企業に直接伝えるのではなく、必ず派遣会社を通して行うことが重要です。
担当者への相談は、定期フォロー時や更新の意思確認時など、対面で接する機会がおすすめです。担当者と直接コミュニケーションを取ることで、疑問点や不安な点を解消しやすくなります。
| 書類の準備や手続きを進める
派遣会社から退職の了承を得られたら、退職手続きを進めます。派遣の契約満了に合わせて辞める場合、特に書類の提出は必要ありません。契約期間の途中で辞める場合は、書類の準備や手続きが必要になることもあります。
書類の書き方や期限について派遣会社の指示を守り、必要書類の用意や提出を行いましょう。派遣会社によって必要書類や手続きが異なるため、担当者の指示に従って進めることが大切です。
| 引き継ぎや派遣先会社への挨拶を済ませる
円満に退職するために、後任の方や同僚へ、担当業務の内容や進捗状況を丁寧に引き継ぎます。マニュアル作成や口頭での説明など、派遣先企業の指示に従いましょう。会社から貸与されたものがあれば、忘れずに返却してください。
最後に、お世話になった感謝の気持ちを込めて、直属の上司や同僚だけでなく、関わりのあった他部署の方々にも挨拶をします。
派遣を契約途中で辞める際の注意点
派遣を契約途中で辞めることには、さまざまな注意点があります。ここでは3つの注意点を紹介します。
| 派遣会社より先に派遣先の会社に退職を伝えない
契約途中で辞める場合は、まず派遣会社に相談し、指示に従う必要があります。自己判断で派遣先企業に先に伝えてしまうと、派遣会社との契約違反になる可能性があるでしょう。
派遣社員の契約や退職を派遣先会社に伝えるのは、派遣元会社の役目です。派遣社員が直接、派遣先会社に伝えると、派遣会社との契約内容に反したり、派遣先企業との間に誤解が生じたりするなど、トラブルを引き起こす恐れがあります。
【関連記事】
派遣で契約終了になったらどうすればいい?失業保険の手続き方法も紹介
| 引き継ぎや返却を素早く済ませる
派遣契約を途中で終了する場合、派遣先企業での業務を円滑に引き継ぐことが重要です。後任者がスムーズに業務を引き継げるよう、担当業務の内容や進捗状況を分かりやすくまとめ、必要な資料やデータも整理しておきましょう。
企業から貸与されたPCや備品なども、速やかに返却する必要があります。引き継ぎや返却を迅速かつ丁寧に行うことは、派遣先企業への感謝の気持ちを表明するだけでなく、社会人としてのマナーや責任感をアピールすることにも繋がります。
| 退職に必要な手続きを漏れなく行う
派遣契約を途中で終了する場合、派遣会社と派遣先企業との間で、退職に関するさまざまな手続きが必要となります。退職届や各種書類の提出期限を確認し、期日までに漏れなく提出しましょう。
派遣先企業によっては、貸与物の返却や業務の引き継ぎに関する書類の提出を求められることもあります。手続きに不備や漏れがあると、退職がスムーズに進まなかったり、後からトラブルに発展したりする可能性もあるため、注意が必要です。
次の仕事を始めるまでに間がある場合、退職後以下の手続きを速やかに行うことが重要です。
・退職届の提出
・雇用保険被保険者資格喪失届の提出
・年金手帳の返却
・健康保険・厚生年金保険の資格喪失手続き
・国民健康保険への切り替え
・国民年金への切り替え
・ハローワークでの手続き
各種手続きを後回しにすると、保障を受けられない期間が発生したり、手当の受給が遅くなる恐れがあるため、退職後なるべく期間をあけず早めに手続きを済ませましょう。 派遣社員の社会保険については、次の記事でも詳しく解説しています。
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派遣を辞めるおすすめのタイミング
派遣契約は、あらかじめ決められた期間で働く契約です。派遣社員は契約期間が決まっているため、基本的には契約期間満了や契約更新のタイミングでなければ仕事を辞めることはできません。
ここでは「どうしても辞めたい」という方に向けて、おすすめのタイミングを4つ紹介します。
| 契約期間満了もしくは更新1ヶ月前
退職の意思を伝えるのに適したタイミングは、契約期間満了や契約期間更新の1ヶ月前です。多くの場合、契約期間満了の1ヶ月前までに、派遣会社と派遣先企業の間で更新の有無が話し合われます。
契約期間満了の1ヶ月前までに退職の意思を伝えれば、派遣会社は後任者の手配を進められ、派遣先企業も業務の引き継ぎに十分な時間を確保できるでしょう。
| 年末年始・長期休暇明け・繁忙期以外
円満に退職するためには、年末年始・長期休暇明け・繁忙期に加え、派遣会社の決算月なども避けるのがおすすめです。
年末年始は、企業によっては決算や棚卸しなどの重要な業務が行われる時期です。長期休暇明けは、休暇中に溜まった業務を処理するため、通常よりも忙しい時期となります。また、繁忙期は、企業の業種によって異なりますが、一般的に顧客からの問い合わせや注文が増える時期です。
これらの時期に退職すると、企業に多大な迷惑をかけることになります。
| 月末や週末以外
月末は、請求書の作成や支払いの処理など、経理関連の業務が集中する傾向があります。週末は、週の業務をまとめたり、翌週の準備をしたりするなど、重要な作業が行われることが多いです。
この時期に派遣社員が退職すると、企業は業務の引き継ぎや後任への引継ぎがスムーズに進まず、業務に支障をきたす可能性があります。特に、月末の退職は、翌月の業務開始に影響を与える可能性があるため、企業にとっては避けたいタイミングです。
| 代わりの人材が確保できるタイミング
どうしても契約満了前に辞めたい場合は、代わりの人材が確保できるようなタイミングで辞める意思を伝えましょう。後任者が決まっていない状態で退職してしまうと、派遣先企業は一時的に人員不足に陥り、業務に支障をきたす可能性があります。
後任者の確保が難しい場合は、派遣会社と相談し、引き継ぎ期間を設けるなど、派遣先企業への負担を軽減できるよう配慮することも大切です。
派遣は基本的に途中で辞められない!
派遣はやむを得ない事情を除いて、基本的に途中で辞められません。だからこそ、自分に合った仕事を見つけることが大切です。
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