就業中の豆知識
派遣社員が退職理由を伝える際の例文7選。途中で辞めるタイミングと気をつけるルールを解説
公開日:2024.07.08
更新日:2025.07.28
派遣社員は退職する際、派遣会社に理由を伝えることが大切です。良好な関係を維持したまま円満に退職するためには、伝え方を意識しましょう。
本記事では、派遣社員が退職理由を伝える際の例文を解説し、確認したいポイントなども紹介します。
目次
- 派遣社員の主な退職理由
- 退職理由を伝える際の例文
- 派遣の仕事を退職する流れ
- 派遣の仕事を退職するには何日前に伝える必要がある?
- 派遣退職時に気をつけること
- 派遣が退職を決める前に確認するべきこと
- 派遣の退職は前もって準備しておこう
派遣社員の主な退職理由
派遣社員の退職理由は人によって異なります。ここでは特に多い退職理由を6つ紹介します。
| 仕事が合わない
派遣社員が退職を考える理由として、仕事が合わないことは少なくありません。具体的には、派遣社員が担当する業務内容や求められるスキルが、自身の経験、知識、興味、適性と一致しない場合などです。
例えば、希望していた職種や業務内容と実際の仕事にギャップがあったり、業務に必要なスキルや経験が不足していたりする状況などが考えられます。
| 給料が低い
派遣社員は時給制で働くことが多く、昇給や賞与が少ない傾向にあります。そのため、正社員と比べて「収入が低い」と感じ、退職に至ることもあるでしょう。
国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」のデータによると正社員の平均年収は508万円です。一方、厚生労働省「雇用の構造に関する実態調査」によると、派遣社員の平均年収は次のとおりです。
・男性:2,999,360円
・女性:2,689,440円
データの年代などに違いはあるものの、正社員と派遣では、平均年収に大きな差があることがわかります。
【関連記事】
派遣の年収とは?男女別・年齢別・職種別などに分けて詳しく解説
| 正社員登用の見込みがない
派遣社員の中には、将来的に正社員として安定した雇用を望む人も多くいます。しかし、派遣先企業によっては、正社員登用制度がなかったり、制度があっても狭き門であったりする場合があります。
このような状況が続くと、将来への不安や不満が募り、モチベーションが低下してしまうでしょう。派遣社員から正社員登用されるにはどうすればよいか知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
【関連記事】
派遣社員から正社員登用されるには?直接雇用のメリット・デメリットを紹介
| 人間関係がうまくいかない
派遣社員によっては、派遣先企業で良好な人間関係を築けず、退職を選んでしまうこともあります。同僚や上司とうまくいかない、ハラスメントと感じる言葉や行為を受けたなど、理由はさまざまです。
派遣社員という立場から、疎外感を抱いたり、輪に入りにくいと感じたりすることもあるでしょう。
| キャリアアップにつながらない
キャリアアップに繋がらないことを不安視し、退職するケースもあります。具体的には、単純作業やルーティンワークばかりで新しい知識やスキルを習得する機会が少ない、責任ある仕事を任せてもらえない、昇進や昇給の機会がないなどが挙げられます。
また、派遣社員という働き方自体が、キャリア形成において不利になると感じる人もいるでしょう。
| やむを得ない理由がある
ほかにも、やむを得ない理由で退職する方もいます。派遣社員は、基本的に契約を満了しないと退職できません。ただ、やむを得ない理由がある場合、途中での退職が認められることもあります。
具体的な「やむを得ない理由」は次のとおりです。
・急病や怪我で就業が困難になった
・家族の介護が必要になった
・契約にない仕事をさせられる
・ハラスメントを受ける など
これらの状況は派遣社員自身のキャリアプランや希望と関係なく、やむを得ず退職を選択せざるを得ないケースです。詳しくは次の記事で解説しています。
【関連記事】
派遣社員は契約途中でも辞められる?3つのリスクと注意点を紹介
ワポティなら高時給&即日勤務◎
シフト自由・単純作業で未経験OK!履歴書不要&週払い・日払い対応。コーディネーターが徹底サポート。
詳細を見る・登録へ
退職理由を伝える際の例文
上述したとおり、派遣社員は基本的に契約満了しないと退職できません。ただ、場合によっては、「途中でも退職したい」と考える方もいるでしょう。
途中で退職する場合、理由の伝え方が大切です。ここでは退職理由を伝える際の例文を、7つのケースに分けて紹介します。
| 仕事内容が希望と異なっていた場合
仕事内容が希望と異なっていた場合の退職理由は、正直に「事前に聞いていた業務内容と異なった」と伝えることが大切です。
ただし、派遣会社の担当者や派遣先企業への配慮も忘れずに、感謝の気持ちや今後の業務への影響を最小限にするための申し出を添えましょう。
<例文>
お世話になっております。派遣スタッフの○○です。
現在勤務している○○について、ご相談がございます。
事前に伺っていた業務内容と実際の業務に相違があり、私のスキルや経験を十分に活かすことが難しい状況です。
つきましては、契約期間中ではありますが、退職の検討をさせていただきたく存じます。
大変恐縮ですが、ご検討いただけますでしょうか。
| 労働条件が悪い場合
労働条件が悪い場合の退職理由では、具体的な不満点を伝えることが重要です。感情的にならず、客観的な事実を中心に説明することが大切です。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
長時間労働や休日出勤が多く、心身の負担が大きくなっています。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
| 労働環境に問題がある場合
労働環境に問題がある場合の退職理由では、問題点を明確に伝えることが重要です。批判的な態度を避け、客観的な事実を中心に説明することが望ましいでしょう。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
作業環境の安全対策が不十分で、日々の業務でケガのリスクを感じています。この状況が続くと、業務に支障をきたす可能性があります。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
| 正社員になりたい場合
正社員になりたい場合の退職理由では、派遣先への感謝と今後のキャリアプランを伝えることが重要です。派遣会社や企業への貢献を述べ、円満な退職を目指す姿勢を示しましょう。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
派遣社員として多くの経験を積むことができ、大変感謝しております。この経験を活かし、さらにキャリアを発展させるため、正社員として新たな挑戦をしたいと考えております。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
【関連記事】
| 人間関係が理由で退職する場合
人間関係が理由で退職する場合、具体的な人物や出来事を挙げることは避け、あくまで「一身上の都合」として伝えるのが一般的です。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
貴重な経験をさせていただき、大変感謝しております。しかし、一身上の都合により、継続勤務が難しくなりました。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
引継ぎは責任を持って行い、業務に支障が出ないよう最大限努力いたします。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
| 前向きな理由で退職する場合
前向きな理由で退職する場合、キャリアアップやスキルアップなど、今後の目標を具体的に伝えることが大切です。派遣先企業への感謝の気持ちも忘れずに、円満な退職を目指しましょう。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
派遣先での経験を通じて、○○の分野に強い興味を持ちました。この経験を活かし、さらに専門性を高めるため、関連分野での正社員としてキャリアを進めたいと考えております。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
退職までの間、責任を持って業務を遂行し、円滑な引継ぎに努めます。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
| やむを得ない理由がある場合
やむを得ない理由がある場合、具体的な事情を詳細に説明する必要はありません。「一身上の都合」と伝えるのが一般的です。
<例文>
お世話になります。派遣スタッフの○○です。
現在働いている○○(勤務先)についてご相談があります。
誠に恐縮ですが、一身上の都合により、継続勤務が困難な状況となりました。
大変申し訳ありませんが、契約期間中ではありますが、退職を検討させていただきたいと思います。
退職までの期間、責任を持って業務を遂行し、円滑な引継ぎに努めさせていただきます。
急なお知らせとなり申し訳ありませんが、ご検討いただけますでしょうか。
派遣の仕事を退職する流れ
派遣社員が退職を決意したら、まずどんな段取りで進めるのが正しいのでしょうか?トラブルを避けてスムーズに手続きを進めるための基本的な流れをまとめました。
| 派遣会社への連絡と退職日調整
派遣社員が退職を決めたら、まず雇用主である派遣元の担当者に意思を伝えることが基本です。派遣先の上司や同僚に先に伝えるのはトラブルの原因になりかねません。
多くの派遣会社では契約更新の1ヶ月前に今後の継続について面談を行うため、その場で退職の意思を伝えると円滑です。こうした打ち合わせの中で退職日を決定し、派遣先への正式な連絡は派遣会社から行われます。
| 退職日までの準備と手続き
退職日が決まった後は、最終出勤日まで誠実に勤務を続け、無断欠勤などで突然辞めることは絶対に避けましょう。退職日までに業務の引き継ぎを行い、派遣先から借りている備品やIDカードなどの貸与物は漏れなく返却します。
最終日にはお世話になった派遣先の同僚や上司に挨拶し、感謝の気持ちを伝えて円満に退職しましょう。退職後、雇用保険に加入していた場合は派遣会社から「雇用保険被保険者離職票」が交付されます。
派遣の仕事を退職するには何日前に伝える必要がある?
派遣社員が退職したいと思ったとき、「何日前に伝える必要があるのか」「即日で辞めることはできるのか」など、タイミングについて疑問に思う方も多いでしょう。契約の種類によってルールが異なるため、ポイントを整理して解説します。
| 無期雇用契約の場合:2週間前で可能
派遣社員が派遣元と期間の定めのない無期契約を結んでいる場合、民法第627条により退職の申出から2週間で雇用契約が終了します。
会社の就業規則で「○ヶ月前までに申出」などと定めてあっても民法の原則(2週間)が優先されます。会社から引き留められても、退職の自由は法律で保障されています。(参照:民法第627条)
| 有期契約の場合:契約期間満了が原則
派遣社員が有期の雇用契約で働いている場合、契約期間中の自己都合退職は原則としてできません。ただし、契約を更新せず満了で退職すること自体は問題ありません。その際は契約終了のおよそ1ヶ月前までに更新しない意思を派遣元に伝えましょう。契約内容や就業規則にもよりますが、派遣会社ごとに運用が異なるため必ず担当者に確認を。
| やむを得ない事情がある場合の即日退職
契約期間の途中でも、病気やハラスメント被害など「やむを得ない事由」がある場合には例外的に直ちに契約を解除して退職できます。民法第628条では「やむを得ない事由」があれば即時解除も認められています(参照:民法第628条)
【関連記事】
派遣で契約終了になったらどうすればいい?失業保険の手続き方法も紹介
派遣退職時に気をつけること
派遣社員が退職を考える際には、法律やマナーの面で気をつけたいポイントがいくつかあります。ここでは、ペナルティの有無や退職後の履歴書の書き方など、大切な注意点をまとめました。
| 派遣社員の退職にペナルティはあるか
派遣の仕事を辞めても「途中で辞めたら違約金を払え」などのペナルティ条項は法的に無効です。労働基準法第16条が労働契約の不履行に対する違約金・損害賠償の予定を禁止しており、企業が一方的に罰金を科すことはできません(参照:労働基準法第16条)
| 退職後の履歴書で職歴をどう書くか
派遣社員として働いた期間は立派な職歴になるため、退職後に履歴書を書く際もその経験を省略せずに記載しましょう。書かないでいると、その期間がブランク(空白期間)と見なされたり、職歴の詐称と判断されたりする恐れもあります。
履歴書の職歴欄には「派遣元(派遣会社)」「派遣先企業名」「担当業務」をセットで記載するのが基本です。退職理由については、契約満了の場合は「派遣期間満了につき退職」、自己都合で途中退職した場合は「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。
派遣社員の退職は法律や社会常識のポイントを押さえて進めれば、決して難しいものではありません。ご自身の雇用契約や職場の状況をしっかり確認し、トラブルを防ぐためにも派遣会社への相談を早めに行うのが安心です。履歴書や退職後の手続きも適切に進めて、次のキャリアにつなげましょう。最新の法改正やガイドラインも参考に、納得のいく転職・退職を実現してください。
【関連記事】
派遣社員の職務経歴書の書き方とは?例文を紹介!魅力的に見せるコツも
派遣が退職を決める前に確認するべきこと
退職を考えたら、実際に会社を辞める前に次の点を確認しておきましょう。
・失業手当の受給要件
・有給休暇の残り日数
・契約期間の残り日数
・派遣会社への連絡
それぞれ詳しく解説します。
| 失業手当の受給要件
派遣社員でも条件を満たせば失業手当を受給できます。失業手当を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。
・失業していて積極的に仕事を探しているが、勤務先が見つからない状態であること
・退職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
派遣社員の場合、ほとんどが雇用保険に加入しているため、条件を満たしていることが多いでしょう。ただし、妊娠、出産、育児や怪我、病気などですぐに就職できない場合や、就職するつもりがない場合は受給できないため注意が必要です。
受給申請には、ハローワークに離職票、個人番号確認書類、身元確認書類などを提出する必要があります。事前に準備できるものは揃えておくとスムーズに手続きが進みます。詳細については、ハローワークのウェブサイトや窓口で確認することがおすすめです。
【関連記事】
派遣でも社会保険に入れる?加入条件や入るメリット・注意点を解説
【関連記事】
派遣でも社会保険に入れる?加入条件や入るメリット・注意点を解説
| 有給休暇の残り日数
派遣社員も有給休暇を取得する権利があります。退職前でも有給休暇は基本的に取得可能ですが、企業によっては退職前の有給消化を禁止している場合があるため、早めに派遣会社に相談して確認しましょう。
有給休暇の付与日数は、勤務日数や雇用期間によって異なります。派遣社員の場合、派遣会社との雇用契約に基づいて付与されるため、派遣会社に確認することが確実です。
| 契約期間の残り日数
契約書に記載された期間満了日をチェックして、残日数を把握しましょう。派遣の契約期間はさまざまで、数日間だけの勤務もあれば数ヶ月・年単位の場合もあります。更新型の長期派遣として勤務することもあるため、契約内容をしっかり確認することが大切です。
契約期間中に退職する場合、原則として派遣会社と派遣先企業の双方に、契約で定められた期間(通常は1ヶ月)前に通知する必要があります。契約期間満了前に退職する場合、契約違反となる可能性があるため、派遣会社に相談し、円満な解決を目指しましょう。
契約期間満了での退職の場合は、契約期間終了日に自動的に雇用契約も終了するため、特に手続きは必要ありません。ただし、派遣会社への連絡や派遣先企業への挨拶は忘れずに行いましょう。
| 派遣会社への連絡
派遣社員が退職する際、必ず守らなくてはいけないことは、先に派遣会社に退職の意思を伝えることです。派遣会社が派遣先企業へ退職の連絡をしてくれるため、穏便に退職手続きを進められます。派遣先企業に直接退職を伝えるとトラブルの原因になるので絶対に避けましょう。
派遣社員が雇用契約を結んでいるのは派遣会社であり、派遣先企業ではないことを認識することが重要です。派遣先企業を辞めるためには、派遣会社との雇用契約の解消が必要となります。
退職の意思を伝えるタイミングは、契約期間や派遣会社の規定によって異なりますが、一般的には、契約満了日の1ヶ月前までです。契約書に記載された規定に従い、派遣会社に退職の意思を伝えましょう。
派遣の退職は前もって準備しておこう
派遣の退職は、事前に準備しておくことが大切です。契約の途中で退職することになると、派遣会社や派遣先会社に大きな迷惑を与えてしまいます。
重要なのは、退職しなくてもよいような自分に合った仕事を見つけることです。自分に合った派遣の仕事を探したいなら、ワポティがおすすめです。専任のコーディネーターが、あなたに合った仕事選びを徹底的にサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
> ワポティの登録はこちら
あなたにピッタリなお仕事探しを応援します!