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介護派遣はやめたほうがいいって本当?魅力やパートとの違いも紹介
公開日:2024.10.31
更新日:2024.11.01
介護派遣には、時給の高さや柔軟な働き方が選択できる点など、さまざまな魅力があります。その一方で、3年以上同一事業所で働けないなどの注意点もあるため、魅力と注意点の両方を理解したうえで仕事を選ぶことが大切です。
本記事では「やめたほうがいい」「介護派遣の方がいい」と、意見が分かれる介護派遣について魅力やパートなど直接雇用との違いについて解説します。
介護派遣とは
介護派遣とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先である施設にて介護業務を行う働き方です。まずは派遣と介護職、それぞれの内容について詳しく解説します。
| 派遣とは
派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、実際の業務指示は派遣先企業から受ける働き方です。派遣のシステムと派遣の3つの種類、正社員・パートとの違いについてわかりやすく紹介します。
派遣の仕組み
派遣は、雇用契約を結ぶ相手と、実際の業務指示を受ける相手が異なる働き方です。派遣会社と雇用契約を結ぶため、給料も派遣会社から支払われます。福利厚生も、派遣会社のルールが適用されます。
ただし、実際の業務指示は派遣先(施設)から受けます。3ヶ月、6ヶ月など定期的に契約更新の確認があり、双方の合意があれば更新されます。ただ、登録型派遣の場合、ひとつの派遣先で同じ業務に携われるのは最長3年までです。他にもスポットや短期など、さまざまな派遣の働き方があります。
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派遣の種類
一般的な派遣には、派遣会社に登録する「登録型派遣」、派遣元会社の正社員として派遣先で働く「正社員型派遣」、派遣元会社と期間の定めなく契約を結ぶ「無期雇用派遣」があります。「正社員型派遣」「無期雇用派遣」は、安定して長期的に働きたい方におすすめです。
最初は派遣でスタートし、将来的に派遣先での正社員雇用を前提とした「紹介予定派遣」もあるため、将来的な自分の働き方やキャリアアップを踏まえたうえで、選択すると良いでしょう。
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派遣社員と正社員やパートの違い
派遣社員と正社員・パートの違いを下記表にまとめました。
派遣社員と正社員・パートは、同じ施設で働いていても、雇用主や給与形態、福利厚生などが異なります。派遣社員は、勤務時間や勤務日数についても、あらかじめ契約した内容の範囲で働くため、残業や休日出勤などを行う可能性は低いです。
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| 介護職とは
介護職とは、要支援者・要介護者に対し、日常生活の支援を行う仕事です。食事や入浴、着替え、排泄、外出などのサポートを行います。これらは、直接利用者さんの身体に触れて行う作業のため「身体介助」と呼ばれます。
ただし、働く施設によって具体的な業務内容は異なる点に注意が必要です。例えば、24時間体制の「入所型施設」では夜勤、デイサービスではレクリエーションの企画・運営や送迎などが当てはまります。
介護の派遣は「やめたほうがいい」って本当?
介護派遣には「やめたほうがいい」「介護派遣のほうがいい」と、さまざまな意見があります。人によって感じ方は異なるため、自分に合っているかどうかを決めることが重要です。まずは派遣、介護職それぞれの注意点について解説します。
| 派遣の注意点
派遣は正社員やアルバイトと異なり、勤務先と雇用契約を結んでいません。そのため、働き方や契約期間など異なる点も多いです。周囲の理解がないと、トラブルになる可能性もあります。まずは、派遣で働く際の3つの注意点を押さえておきましょう。
風当たりの強さを感じることがある
大規模な施設など、すでに派遣社員を受け入れた経験があり、スタッフが派遣社員と働くことに慣れていれば問題はありませんが、派遣文化に馴染みがなく、理解がない状態で働くと、居心地の悪さを感じることがあります。「派遣社員だけ残業や休日出勤をしないのはズルい」など、理不尽に不満をぶつけられる可能性もあるでしょう。
「派遣=即戦力」との思い込みから、介護経験に関係なく高い能力を期待されるなど、派遣のイメージだけが先行することもあります。契約期間満了により人間関係もリセットされますが、あまりに風当たりが強いと感じるのであれば、派遣会社への相談が必要です。
一つの職場で長く働くことができない
一般的な派遣契約は「有期雇用」です。いくら良い職場に出会い、スタッフや利用者さんと良好な関係を築けていても、契約期間が満了すれば、別の仕事を探さなければなりません。
「ひとつの職場で長く働きたい」「働く環境を変えたくない」と考える人にとっては、派遣で働くことはデメリットと言えるでしょう。ただし、直接雇用への切り替えを行うなど、3年以上同じ職場で働く方法自体は存在しているため、継続した勤務を希望する場合は、積極的に働きかけることもひとつの方法です。
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責任のある仕事を任されづらい
派遣社員はあらかじめ契約期間や業務範囲が決められているため、正社員と比べて、任される業務の幅が狭いケースがあります。責任ある仕事が任されにくいため、積極的に専門業務に取り組みたい人にとっては、物足りなさを感じる可能性があるでしょう。
ただし、派遣の立場でも携われる仕事はあるため、まずは契約範囲の業務にしっかり取り組むことが大切です。資格を取得したうえで契約更新の際に、意欲をアピールし、携われる業務の幅を少しずつ広げる方法もあります。
| 介護職の注意点
仕事として介護職を選択する場合、体力の有無や人間関係など、あらかじめ注意すべき点があります。こんなはずではなかったと後悔しないためにも、介護職の注意点について詳しく解説します。
体力に自信がない人には業務が負担になる
介護職の仕事のなかでも、入浴・排泄などの身体介助は、中腰や前傾姿勢をとることが多いため、腰や膝に負担がかかりやすくなります。ぎっくり腰になったり、腰痛・肩痛に悩まされたりする人もいることでしょう。
ストレッチを行う、介護ロボットなど負担軽減方法を導入している施設を選ぶなどの方法を取り入れることで、予防・改善は可能です。しかし、基本的には一般的な体力が必要なため、体力に不安を抱えている人は、デイサービスなど介護度が低く、身体介助の機会が少ない施設を選ぶことで、負担軽減につながります。
利用者との人間関係で悩むこともある
利用者さんとのコミュニケーションは、介護業務において重要な仕事です。話を聞き、信頼関係を築くことでやりがいにつながる一方、人間同士である以上、「相性が合わない」「苦手意識がある」といったケースも存在します。
利用者さんとの関係構築に悩んだときは、上司や先輩に相談したり、他の人の接し方を観察したりしてみましょう。「認知症介助士」や「認知症ライフパートナー」などの資格取得の勉強を通し、認知症の方への対応方法を学ぶ方法もあります。
施設によっては夜勤や土日祝の勤務がある
就職先を選ぶ場合は、あらかじめ勤務形態の確認が必要です。特別養護老人ホームや有料老人ホームをはじめとした入居型の施設では、24時間体制の見守りが求められるため、日勤・夜勤といった交代制勤務が一般的です。シフトによっては、土日祝の勤務も発生します。
土日祝に稼働しているデイサービスなどの通所型施設もあるため、平日・日勤のみ働きたい場合は、注意が必要です。「夜勤が苦手」「平日のみ働きたい」という方は、デイサービス、訪問介護の職場を中心に探し、自分に合う働き方を見つけていきましょう。
介護派遣の魅力
介護派遣には時給の高さや有給の取りやすさ、未経験からでも始めやすいなどの魅力があります。ここでは「派遣」「介護職」それぞれの魅力について解説します。
| 派遣の魅力
派遣の魅力は、パート・アルバイトなどに比べて時給が高い点です。また働き方が多様で「短期希望」「オープニングスタッフがいい」「残業なし」なども選択できます。
派遣会社に自分が希望する働き方を伝えることで、自分に合った職場を紹介してもらえるため、かなり心強いと言えるでしょう。
比較的時給が高い
最低賃金は上がりつつあるものの、施設と直接契約を結んでいるパート・アルバイトに比べ、派遣の時給は高い傾向にあります。地域や職種により異なるものの、時給が500円以上高いケースや月給で計算すると正社員よりも高いケースもあり、一定期間でしっかり稼ぎたい方には特に向いている働き方です。
派遣の場合、基本的には同じ職場で3年のルールがありますが、3年間で実績と経験を積み、稼ぎながらキャリアアップを目指すといった働き方も可能です。
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残業がなく有給も取りやすい傾向にある
前述したように、派遣社員は時給が高いです。残業が発生すると、施設側は追加費用が必要となるため、基本的に定時上がりが多くなるでしょう。有給を取得する際にも、スムーズに取れる傾向があります。
契約外の残業や休日出勤などを求められた場合も、まず派遣会社に相談できるため安心です。残業や休日出勤などイレギュラーな仕事を好まない方にとっては、派遣は働きやすい環境といえます。
柔軟な働き方ができる
派遣社員は「フルタイム」「日勤のみ」「夜勤のみ」「16時まで」など、自分の希望を優先し、柔軟な働き方が選択できます。勤務時間だけでなく、勤務地や時給なども、派遣会社に気軽に相談できる点がメリットです。
「子どもの保育園の近く」「通勤に便利な駅近」などの条件を満たす職場で働くことで、家事や育児、プライベートとの両立がしやすくなります。「2〜3年は週2回、そのあとはフルタイム勤務を考えている」など、今後のキャリアについてもキャリアアドバイザーに相談しておくと、先を見据えた仕事を提案してもらえる可能性が高いです。
| 介護職の魅力
介護職は未経験から始める人が多く、働きながらの資格取得も可能です。身につけたスキルは、将来的に家族の介護に活かせる点もメリットです。ここでは、介護職の3つの魅力について解説します。
未経験でも始めやすい
公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によりますと、介護・福祉・医療関係以外の仕事から介護職に転職した人の割合は全体30.7%、内訳は男性37.3%、女性28.9%でした。
多くの未経験者・無資格者が、スキルアップできるよう研修や資格取得支援制度が充実している施設も多いです。また少子高齢化が進む日本においては、介護業界の人手不足が深刻化しており、最初は未経験・無資格だとしても、スキルを身につけることでより良い条件の施設への就職・転職も実現できます。
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仕事で得たスキルを家族の介護に活かせる
介護職の仕事を通して、入浴や排泄などの身体介助以外にも、声かけや適切な対応、介護保険に関する知識などが身につきます。将来的に両親や配偶者に介護が必要となった際には、得たスキルが役に立ち、感謝されることでしょう。
また、周囲に家族の介護をしている人がいれば、相談に乗ることもできます。仕事を通して得た知識や技術、経験は、大きな財産です。
人の役に立つ実感が得られる
介護職は、利用者さんに寄り添い、支援を行う仕事のため、感謝されることが多いです。利用者さんやその家族から「ありがとう」「◯◯さんのおかげで助かった」と直接声をかけられることは、自身のやりがいにもつながります。
介護の仕事の基本は、コミュニケーションです。コミュニケーションを通して信頼関係を築き、利用者さんが喜んだり安心したりする姿を見ることで、仕事を通して人の役に立っている実感が得られるでしょう。
介護派遣がおすすめな人
魅力と注意点の両方を併せ持つ介護派遣には「やめたほうがいい」「直接雇用よりも介護派遣のほうがいい」と両方の意見があります。向いているかどうかは、性格や考え方にもよるため、一概には言えません。ここでは、介護派遣がおすすめの人について3つのポイントを紹介します。
| 幅広い業務経験を積みたい人
介護派遣の場合、同じ施設・事業所で働く期間は、最長3年です。しかし「介護業界」の中にも、特養や有料老人ホーム、デイサービスなどさまざまな形態があり、求められることや業務内容は、それぞれ異なります。
例えばデイサービスであればレクリエーションの企画・運用や送迎なども業務の一環です。特養であれば介護度の高い方と接する機会が多くなるでしょう。経験、実績を積むなかで、自分のスキルを高め、各施設・事業所の方針を自分の目で見たうえで、自分に合う働き方を見つけたい方におすすめの働き方です。
| コミュニケーション能力に自信のある人
介護の仕事は、利用者さんやその家族、派遣スタッフとコミュニケーションをとりながら進める必要があります。特に介護派遣の場合、数ヶ月単位で派遣先が変わる可能性もあるため、コミュニケーション能力が高く新しい環境に抵抗のない人向きです。
また、派遣先に苦手なタイプの人がいたとしても、数ヶ月程度であれば割り切って接することができる人も介護派遣に向いているといえます。
| 柔軟に適応できる人
例えば同じカテゴリの施設であっても、理念やルール、仕事の進め方など細かな部分が異なります。派遣スタッフとして働く以上、自分のこだわりや理想を押し付けるのはNGです。派遣先の考え方を受け入れ、柔軟な対応ができる人は派遣向きといえます。
これまでの経験や実績から、自分なりのこだわり、やり方を確立しているのであれば、正職員として同じ職場に長く勤め、後輩指導や人材育成を行うといったキャリアプランも検討してみましょう。
介護派遣ならワポティ
介護派遣は、派遣会社と契約し、派遣先の施設や事業所で勤務する働き方です。比較的時給が高く、柔軟な働き方ができることから「正規雇用より、介護派遣の方がいい」といった声もあります。ただし、魅力と注意点、両方を理解したうえで、選択することが重要です。
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